代表の赤荻です。
新年度が始まりましたが、「いっしょにステップ」では、3月に卒園した慢性疾患のあるお子さんが、次に入園した保育園への移行支援を行っています。
保育園の生活の流れの中で集団生活を行うには、細かな部分にも配慮が必要です。例えば、お散歩の準備をする順番一つ取っても、椅子の配置一つ取っても、食事の形態にしても、おうちであれば何でもないことでも、保育園という子どもも職員も複数の人が関わる環境の中では、一つひとつを皆で検討し、ルールを決めて、みんな統一した対応ができるようにする、という配慮が必要となります。
おそらく、今回私たちが実施しているサービスは、他にしている保育園や事業者はないと思います。しかし、実際にやってみて、この必要性を改めて感じているところです。個別配慮が必要なお子さんの、集団生活の中での関わり方は、何度もトライして、時間をかけてようやく見つけていくものです。受け入れる保育園も、そこを一から作っていくことは大変な労力でしょう。ここを、それまで通っていた保育園の先生が引継ぎをする、というのは効率的で、みんなが安心できる方法だと思います。
本来は「いっしょにステップ」のようなサービスは公共サービスとして、行政が金銭的な負担を負ってくれれば、保護者も、園も、安心して医療の必要な子どもたちの集団生活への参加がになるのではないかと思います。また、逆に言うと、そのような仕組みがないので、医療の必要な子どもたちの社会参加が難しい状況があるのかもしれません。
こんなニーズのあるお子さんに一人でも多く関わり、その必要性を広く理解してもらえるようになれば、と思っています。
代表理事 赤荻 聡子